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Friday, September 23, 2005

43.【FF】カボチャ大王

その人はいつもオレンジ色のカボチャ帽子を被っていた。

カボチャ帽子は、ジョブやレベルに関係なく装備できる
アイテムだけれど、その人は、
競売の前でも、フレンドの前でも、
そしてモンスターの前でも、
いつも頭にオレンジ色のその帽子を乗せていた。

どんなきっかけで、どちらから申し込んだのかは
忘れてしまったけれど、
フレンド登録する前からずっと、
その人はトレードマークの様にカボチャ帽子を
被っていたように記憶している。

ワタシ達は、フレンドになったからといって、
何か特別なことをした訳ではなかった。
その人とはレベル上げどころか、
一緒にどこかへ遊びに行ったことがない。
レベル上げの行き帰り、何かのイベントの行き帰り、
それぞれ別のPTに居ながら、と、
その人と逢うのはいつもそんな何気ない時だったけれど、
そんな時はいつも、その人は側へ寄って来ては
おどけて見せてくれた。

いつのことだったか、
レベル上げの為にクロウラーの巣へ行った時のこと。
そこに居るはずのないソルジャークロウラーが、
入り口で大暴れしていたことがあった。
イモムシの周りには離席中に運悪く絡まれたらしい
AF姿の冒険者を含めて何人かが倒れていた。
10体か20体か、それ以上かもしれない
黄色いクロウラーの集団は、団子のような円を作って、
全部がある1点、円の中心に向かっていた。

その円の中心には、あのオレンジ色の帽子が見えた。
たまたま通りかかったのか、
その人はクロウラーの人気を独り占めしたまま淡々と、
でも着実に黄色いモンスターに己の拳を叩き込んでいた。
オレンジ色の帽子を被ったままで。

全てのクロウラーを倒したその人は、何も言わず、
何事もなかったかのように立ち去った。
たくさんの冒険者の拍手を受けて、
頭の上のカボチャは照れくさそうに笑っている、
そんな気がした。

ワタシ達はつかず離れず、淡々とした関係を続けていた。
淡々と、最後の日まで。

あの日、久しぶりに顔を出したLSで、
その日その人が引退することを知った。
その人に誘われて、ロランベリー耕地へ出てみると、
そこにはたくさんの冒険者が集まっており、青空の下、
フェンリルやカーバンクルと一緒に走り回っていた。

pumpkin1

そして見上げた空には数え切れないほどの花火が、
その人がその日のために作った何千発もの花火が、
いつ果てるとも無く打ち上げられ続けていた。

pumpkin2

まるでどこかのお祭り会場みたいだった。

その人は、強制ログアウトのその瞬間まで、
みんなと一緒に走り回り、
いくつかのアイテムをちょっとしたプレゼント感覚で
フレンドに分けながら、
その状況を楽しんでいるように見えた。

その人と一緒に遊べなくなることを惜しんだり、
これまでの思い出を語ったり、
これからのその人を応援したり、
フレンド達の色々なメッセージを受けながら、
その人は最後の瞬間まで笑顔で、そして消えていった。

その人がいなくなってから、
ワタシは最後にもらったアイテムを装備してレベル上げに
行くことが多くなった。
そのアイテムはいつもその人を、
あの黄色いクロウラーの中のカボチャ帽子を
思い出させてくれる。
いつも、なんだか守られているような、
勇気を分けてもらっているような、
そのアイテムはそんな気分にさせてくれた。

・・・・・・・・・・

あの最後の日からもう1年以上が経過してしまった。

飛竜の頭骨取りにいったあの日、ユタンガの大森林で、
水着姿の元気な冒険者に出会った。
彼女は頭にオレンジ色の帽子を被っていた。

ひとなつっこくおどけて見せるその姿に
ある疑問が浮かんだけれど、
その時は、ごくごく一般的な挨拶だけして別れた。
でも、飛竜を相手にしている間も、その後も、
オレンジ色の帽子のことが頭から離れなかった。

それからしばらくしてバスのモグハウス前で
もう一度彼女と出逢った。
思い切って話しかけてみる。

・・・あなたは、ワタシのフレンドだった人にそっくりです。

かぼちゃ帽子を被って、以前と変わらない姿で、
その人は、
いつもと同じように照れくさそうに笑って見せた。

何があった訳ではないけれど、
なんとなく涙があふれてきた。

pumpkin4_edited

おかえり、かぼちゃ大王。
今年のワタシのハロウィンは、間違いなくあなたが主役です。

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Comments

いい出会い、いい思い出があって羨ましいです。
ハロウィンでカボチャ大王を思い出しつつ、一杯飲る…。いいですね~


またもや3連勤になりそうで、荒れた精神に一服の清涼剤をありがもう。
目から鼻水が出そうになったしゃけ。
ですが、おかげ様でもうちょい仕事がんばれそーです。

さ、仕事仕事。

Zzzzzz…。

Posted by: しゃけ | Saturday, September 24, 2005 at 12:24 PM

お仕事がんばですー<call2>
・・・パーティメンバーがいません。
にゅ。暗黒ソロ上げ中でした。

目から鼻水ならば、鼻からはやはりアレですか、
鼻からぎうにう~、、、
何言ってる>自分、、

Posted by: プリケツ | Saturday, September 24, 2005 at 01:39 PM

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